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― 【決着】 ―

2023/08/28
文字数:313文字

「私の勝ちだね」
 夏休みの終わり。
 冷夏は現実を選んだ。
「そうだね」
 フゥームが月明かりの中たたずむ。
 ここは学校の屋上。
 私の家に来たフゥームがここに移動したのだ。
「心配しないで」
 私はふっと気を緩めて笑う。
「冷夏は私が護るから」
 フゥームの消える時間が近づく。
「・・・君は、何者なんだ?」 
「さあね」
 月が輝きを増す。
「どこから来た?」
「どこからだろう?」
 風が静かに唸る。
「何も言わないか・・・」
「何も言えない」
 浮かぶ足元。
「ありがとう」
「また・・・」
 葉っぱが舞う。
「会いに行く。独りっきりの空間に」
「!!君は。まさか・・・」
 最後の言葉は闇に飲み込まれ届かなかった。
「たぶん、当たってる」
 私は何もない空に答えた。


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18歳・夏