2020年 1月のアーカイブ
― ロッカーの箱 ―

― ロッカーの箱 ―

文字数:約800文字 6【ロッカーの箱】 夢を見た。 そこは工場の中だった。 金色のリングを作っていた。 数人の従業員とたくさんの機械。 私もその中で働いていた。 ふと、辞めようと思った。 辞めて新しい仕事があっさりと決まった。 次の仕事も工場。 その仕事もしば...

― 本と通路と味方2 ―

― 本と通路と味方2 ―

文字数:約1001文字 5【本と通路と味方2】 外に出た。 後ろを振り返ると、トンネルがあった。 ちゃんと整備されているトンネルで扉もシッカリとついていた。 前には田んぼが広がっていた。 ここがどこなのかは分からなかったけれど、地上だという事は分かった。 後ろのトンネ...

― 本と通路と味方1 ―

― 本と通路と味方1 ―

文字数:985文字 4【本と通路と味方1】 夢を見た。 窓一つない細い通路にいた。 通路の片方に扉がいくつか、ついている。 その一番奥の扉を開けた。 椅子が一つとカウンターのような机、その先に天井まで届く本棚が両側に立っていた。 机の上にも本が雑多に置いてある。 ...

― 出口がない ―

― 出口がない ―

文字数:1204文字 3【出口がない】 夢を見た。 コンサートに行った。 会場はどこかの小さなホールのようだった。 入り口から階段を上って、会場へと向かう。 人はまばらで、それほど人気があるわけでもないみたいだった。 ふと、足が止まる。 『私、これを聞きたいんだっ...

― 赤い実とカエル ―

― 赤い実とカエル ―

文字数:255文字 2【赤い実とカエル】 夢を見た。 家の前だった。 妹達と赤い実を潰して遊んでいた。 木苺だったのかもしれない。 潰れたそれで、ケーキを作る遊びをしていた。 そこに父が来た。 田んぼの中で何かが跳ねた。 よくみると、大きなカエルだった。 「...

― 場所が分からない ―

― 場所が分からない ―

文字数:672文字 1【場所が分からない】 夢を見た。 星を見るイベントがあるらしい。 そのお知らせ掲示板を見ながら、夜までどこかで時間を潰さなければと思った。 思いついたのが学校だった。 授業の終わった学校で何かをしながら時間を潰す予定が、気が付くと机に突っ伏して眠...

― 地獄はどこに…… ―

― 地獄はどこに…… ―

文字数:660文字 6【地獄はどこに……】 死者と生者は交わらない。 だから、この世界には『地獄』と『極楽』の概念が存在して、死してもなお生あるがごとく存在できると信じられる。 「バカバカしい」 テレビを消して、少女は呟く。 ポフッとソファーで膝を抱えて、さらにぬ...

― 夢のない…… ―

― 夢のない…… ―

文字数:650文字 5【夢のない……】 「眠らないの?」 そう聞かれたから 「眠って楽しい事あるの?」 そう答えた。 相手は頭にクエッションを付けた表情で、もう一度別の質問をした。 「疲れない?」 「どうでもいい。それに、眠らなくても死なないよ」 「...

― 迷い路~まよいじ~ ―

― 迷い路~まよいじ~ ―

文字数:602文字 4【 迷い路 ( まよいじ ) 】 ゆらり……と足が揺れる。 幼かった私は、それが何なのか分からなかった。 後から知った。 それは、死んでしまったおにーちゃんだったと。 *** 声なき声に起こされる。 「おはよう」 おにーちゃんが私に笑...

― 人を殺せる条件 ―

― 人を殺せる条件 ―

文字数:589文字 3【人を殺せる条件】 「人を殺せる条件って知ってる?」 テレビを見ながら彼女が唐突に言い放った。 「は?何?」 何を言っているのか訳が分からず、僕は本から目を上げる。 彼女の視線はテレビを見ている。 ただの独り言かと思ったが、返事がくる。 「人...

― 誰を殺したの? ―

― 誰を殺したの? ―

文字数:495文字 2【誰を殺したの?】 死者が歌う。 誰が私をコロシタノ? それを誰がシッテいる? 「で?物語の続きは?」 キィと椅子を揺らして、こちらに向き直る少年。 「犯罪者共々、地獄行きだって」 私は笑って画面のイラストを見せる。 ゲームの最後の...

― 白骨が見たい ―

― 白骨が見たい ―

文字数:723文字 1【白骨が見たい】 黙々と新聞を読む同居人の隣で本を読んでいる。 いつもの風景、いつもの事。 「ねーねー」 来たと思った。 「死体ってよくあるものかな。探したら見つかるかな」 うわぁぁぁ。今日はまたとんでもない話題が飛んできた。 「何でそう思...

― 水色のレインコート ―

― 水色のレインコート ―

文字数:1719文字 7【水色のレインコート】 「レインコート、汚さないでよね!!」 自分そっくりなこの生意気な姿が嫌だなと思う。 「汚してないわよ。汚したくないなら、着なきゃいいじゃない!!」 「あなたが、レインコートを着たらいいって教えてくれたんでしょ」 確...

― 黄色いレインコート ―

― 黄色いレインコート ―

文字数:2125文字 6【黄色いレインコート】 雨の日にその子は、いつもその場所にいた。 「ねぇ。お洋服が汚れたじゃない。どうしてくれるのよ」 不機嫌な雰囲気に似あわず、その声は高く澄んでいた。 グイッと服の裾が引っ張られる。 「え?私?」 思わず振り返る。 そこ...

― プレゼント ―

― プレゼント ―

文字数:461文字 5【プレゼント】 クリスマスにはプレゼントを貰うんだ。 僕はそれを楽しみにしていた。 本当に楽しみにしていたんだ。 テストでの点数が下がった。 「何でこれくらい分からないの。いい子にしないとサンタさんは来ないわよ。 次はしっかりと良い点を取って」 ...

― あまいアメ ―

― あまいアメ ―

文字数:810文字 4【あまいアメ】 ポタン ポタン 雨が降ってきた。 女の子が掌で受け止めて、口に含む。 「あまーーい」 満面の笑みで女の子が言った。 「ねぇ。おばーちゃん。むかしは雨に味がなかったって本当?」 女の子が振り返った先におばあちゃんがいる。 に...

― 地図と名称と迷子 ―

― 地図と名称と迷子 ―

文字数:781文字 3【地図と名称と迷子】 「ここ、どこ?」  問いに正確な返答が返ってくる。 「経度35.×××、緯度139.×××」 「いや、それ……わかんない。どっちに行けば、いいの?」  地図がない事を判っていて、再びリュックに手を突っ込む。 「さぁ?」  判...

― 性別文化逆転 ―

文字数:824文字 2【性別文化逆転】 「……かわいい?」  引きつった顔で少年が振り向いた。 「ぶっ……か、かわいい」  恐ろしいくらい似合ってるフリルのスカートから思わず目を背ける。 「…これ、着る必要あるの?」 「あるある……」  笑わないように気を付けて、少年を...

― マッチ売りの少女の家族 ―

文字数:743文字 1【マッチ売りの少女の家族】 「お 家 ( うち ) 、燃やしたい」 「は?」  またまた、なんだか 唐突 ( とうとつ ) な話が唐突に始まった。  本から目を上げると、やはりこちらなんて一つも見てない少女がたどたどしく続ける。 「んとねー。自分のお...

― 時交叉の物語:目次 ―

 時交叉の物語  ~時の交差の物語2~   短編集   2018~   誰かのための物語 ☆夢の中 1 【場所が分からない】 2 【赤い実とカエル】 3 【出口がない】 4 【本と通路と味方1】 5 【本と通路と味方2】 6 【ロッカーの箱】 7 【書く場...

― 少女 ―

少女。 ……背景を描きたかった。色々と失敗している。 使用ソフト:メディバンペイントPro  2018/06    絵    セーラー服>>

― セーラー服 ―

セーラー服 ……振り返る姿を描きたかっただけ。セーラー服はおまけ。 使用ソフト:メディバンペイントPro  2018/02 <<舞う    絵    少女>>

― 舞う ―

舞う。 ……ラフに描いてみた。 使用ソフト:メディバンペイントPro  2018/03 <<内緒    絵    セーラー服>>

― 内緒 ―

内緒……。 バランスバラバラ 使用ソフト:メディバンペイントPro  2018/04 <<光との戯れ    絵    舞う>>

― 不器用な想い ―

不器用な想いはどこへー 私たちはこの場所で 囁いている 愛しい 愛しい 愛しい だけど 不器用な私たちは 上手く想いを伝えられない 悲しい 悲しい 悲しい 伝えたくて 届けられなくて 想いは沈む 苦しい 苦しい 苦しい 叫びは 泡となって 消...

― 現に眠りつく地にて ―

44:現に眠りつく地にて 文字数:約562文字  昔話を語りましょう。  何時かの場所― 誰かの時間? ――――――――――――†―――――――――――― 「昔話を語りましょう」  婆様はいつもそう言って、お話を始める。  見たことの無い世界、行った事の無い場所のお...

― 全てが凍りつく地にて ―

43:全てが凍りつく地にて 文字数:約765文字  氷の世界。  誰もいない世界の果て― たどり着く場所は? ――――――――――――†――――――――――――  その地に踏み入れると言うことは死ぬと言うこと。  誰をも拒む、その地に『調査』として入ったその隊。  各...

― 時砂の落つる地にて ―

42:時砂の落つる地にて 文字数:約909文字  光のみが広がる。  砂と白い人― 違和感? ――――――――――――†――――――――――――  そこは、白の空間。  何も無い。  ただ、ただ白い光の空間。  どうして、ここに居るんだろう。  ぼんやりとそう思う。 ...

― 魔満ち溢れる地にて ―

41:魔満ち溢れる地にて 文字数:約483文字  呼び声が響き渡る。  青い月の空間からの来訪者― 不思議? ――――――――――――†――――――――――――  声が聞こえる。  あれは呼ぶ声。  僕を、呼ぶ声。  泣いてる。呼んでる。 「ここへ……キテ」  漂う...

― 砂散り逝く地にて ―

40:砂散り逝く地にて 文字数:約618文字  君へ贈る死への花束。  たった一つの望み― 叶いましたか? ――――――――――――†―――――――――――― 「オリ。この砂漠の向こうに何があるの?」 「なんだろね?ミリ」  小さな頃は二人で遠くを見に行った。 ...

― 天使の集う地にて ―

39:天使の集う地にて 文字数:約676文字  天使達の語らいの時間。  たった、一日の休日― 何するの? ――――――――――――†――――――――――――  空間の交わるその時間。  私達は出会う。  400年に一度だけの約束の日。 「久しぶり?」  きょとっ...