39:天使の集う地にて
文字数:約676文字
天使達の語らいの時間。たった、一日の休日― 何するの?
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空間の交わるその時間。
私達は出会う。
400年に一度だけの約束の日。
「久しぶり?」
きょとっとした目でリムが笑う。
「久しぶりなのかなぁ」
ヒメが小首をかしげる。
「それでいいんじゃありませんか?」
サラが穏やかに答える。
「仕事を忘れられればいいんだ」
ぶっきらぼうにパディスが言った。
「で、どうするの?」
私はみんなの顔を見渡す。
「はーい。今日は、ヒメに付き合って♪」
思いっきり元気良くヒメは手をあげた。
他の皆はというと、ちょっと引いている。
「あのね。クリスのお花畑に行こう!」
「俺は嫌だ。帰って寝る」
即答でパディスはクルリと背を向ける。
「だーめ」
ヒメはそれを止めて、無理矢理引っ張って先に行く。
私達もそれに続いた。
「ほーら、綺麗でしょ?」
花畑に着くなり、ヒメは手を広げて自慢する。
パディスは明らかに不機嫌顔。
サラは花の香りをかいでいる。
リムはごろんと寝転んでいる。
私は暫く空を眺めていた。
「できたー。はい」
ヒメがいきなり叫んで、パディスに渡したのは……。
花冠。
「はい。みんなの分もあるよv」
るんるんしながら、それぞれの首にかけていく。
「ありがとう」
サラはそう言って受け取った。
パディスはどうしようかと指で回している。
リムは花冠を手にとって眺めている。
「はい。リュラの分」
「ありがとう」
「どーいたしまして」
それからはお昼寝の時間。
いつもはそれぞれ自分の空間に戻るのに、
今日は花冠を持ってお花畑で眠る。
「異色の天使ね。
サラがそう呟いた。
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