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― スプリングドリーム :目次: ―

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ー 夢を見た ー
天使の夢。

真っ白な世界で天使がほほ笑む。
「焦らずに慌てずに、おやすみなさい」

スプリングドリーム :ドリーム  :
銀色    :
天使    :
子供    :
迷夢    :
二人    :
覚醒    :

約4000文字
ここから先はお遊びも含みます。
~番外編~
0102
約1500文字 登場人物

主人公……名前は出てこない。


他のキャラ画像はこちら
幼子たちの夢イメージソング


メクる」「ツギクル (AI分析公開中)」にも掲載。




誤字報告

― スプリングドリーム 番外編2 ―

《店を見つけなかったら編》
 【銀色】
 それが予感だったのか。  それとも、偶然だったのかは知らない。  だた、そうしなければならないような気がしていた。  私は、雪の中をさまよい歩いていた。  ちょっとしたことで母親と言い合ってしまった。  そのまま家を飛び出してきたのだ。  なぜか手には包丁が握られている。  何だか、もうどうでもいいかも・・・  ちょうど雪の中だし・・・  いつも思っていた。  死ぬのなら雪の中。  手首を切るのがいい。  枕になりそうな木もあるし  うん。  いいかもしれない。  こいうのを運がいいとはいわないのかも知れないが、  私はそう思ってしまったのだ。  木の根っこに腰掛ける。  幹に体を持たれかけ、一気に手首を切った。  白い雪に紅い血はとてもキレイだった。  思った通り。  そう、  と・・て・・・も・・・・・。

 【天国】
 あれ?  私、死んだのかな。  辺りは一面真っ白。  いや、柔らかな光に囲まれている。  きれい。  降り注ぐ光は手の中できらきらと輝いている。  「こっちにいらっしゃいよ」  その声は優しく私はその声のした方に歩いて行った。  ふわふわと浮いているような感覚で・・・・。


《思い出せなかったら編》
 【迷路】  オモイダシタクナイ。  思い出せない。  思い出さなきゃ。  ワスレタイ。  忘れちゃいけない。  忘れられない。   イタミガヨミガエル。  この痛みは消えない。  傷跡は消せない。  だから、思い出さなきゃ!!  イヤ――――――――――――――!!  パアァァァン  何かが壊れた気がする。  もう、思い出さなくていい。  ほら、ゆっくり眠れそう。  声はもう聞こえないんだから。

目次


18歳・春


誤字報告

― スプリングドリーム 番外編1 ―

《その後編》
 【覚醒】

 あれれ。私が手首を切ったのは雪の降ってた時期だから・・・。  もしかして、だいぶん時間が経ってる!?  家に帰ったら行方不明ってことになってる?  ひ~。早く帰らなきゃ。  と慌ててその場から離れた。  家へと走っていくが、途中でどう説明しようかとも思った。  まあ、気にせずにとりあえず帰らなきゃ。  「ただいま~」  私はとりあえず家にたどり着いた。  「おかえり」  奥から聞こえた声は冷静そのもの。  「?」  私は声の聞こえた部屋に行く。  「どうしたの」  母親がそう聞いてきた。  「えーと、別に変わったことってない?」  「特にないわよ」  語尾に?がついてるように思える。  確かに変な質問だ。いつもはこんなこと聞かないし。  「今、4月だよね」  確認してみる。  「そうだけど・・・」  「私、3月って何してたっけ?」  「相変わらず、家でごろごろしてたじゃないの」  ?  「そうだった?」  これ以上聞くと気がおかしくなったと思われそうだ。  私自身おかしいんじゃないかと思い始めた。  行方不明になってないことは分かったんだが・・・。  【店主】   しばらくして、またあの店を見つけた。  私はいつも持ち歩いていたあのナイフを返そうと思った。  カランカラン。  「おや、またいらしゃって下さったんですか」  どうやら、店主は私の顔を覚えていたらしい。  「どうです?不思議な体験ができましたか?」  何を買ったかまで覚えているのか・・・。  「ええ、まあ」  「それで、そのナイフはもういらないのですか?」  そう言って、私のバッグを指差す。  透視でもできるのか?   なぜ、バッグにナイフが入っているのか分かったのかは分からないが  そう言ってくれるなら話は早い。  「もう、私には必要ないですから」  「そうですか」  そう言って、レジからお金を出す。  「あ、お金は別にいいです。私が勝手に返しに来たのですから」  「それじゃ、このお店の品物を一つ持っていきますか?」  ぐるっと店を見回す。  別に欲しい物は見当たらない。  「だったら、お金でいいですね」  レジから出したお金を私に渡す。  人の心も読めるのか?  「なんで・・・」  「分かりますよ。長く生きていればね」  そう言ってウィンクしてみせる。  「長くって、そんな年にも見えませんけど?」  「若作りなだけですよ」  いくつなんだろ?  「いくつなんですか?」  あ、言っちゃた・・…

― 【覚醒】 ―

ゆっくりとまぶたが開く。  見えたのは舞い降りてくる羽。  きれい・・・。  しばらく寝たままそれをボーと見てた。  あれ?羽にしては大きさが小さい。  私はゆっくりと体を起こした。  さくらだ~。  そこは満開の桜の木の下だった。  周りを見渡すと知っている神社のようだ。  もう、天使は見当たらない。  私の中の私・・・。大丈夫。  もう、消してしまったりしないから。  あなたがいることも分かっているから。  痛みは強さに変わるから――――――。

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18歳・春





誤字報告

― 【二人】 ―

文字数:746文字
 「思い出したんだね」  頬には涙。  どうしようもない痛み。  息が荒く、鼓動が波打っている。  「どうして・・・」  私は痛みを抑えて叫んだ。  「どうして、思い出させたの!!」  そこは白い世界。  ただ、ひらひらと羽が舞う。  この羽は忘れろといっていたんじゃない。  思い出せと言っていたんだ。  そして、木の上に天使だけがいる。  「あなたが決めたことだよ」  「私が?」  私は天使のいる木の上を見上げる。  「私は思い出したくなんかなかった!」  「でも、そのままじゃ進めない」  天使の声のトーンが変わった。  さっきまで優しく語り掛けるような声だった。  それが、感情のない機械的なトーン。  「だから、思い出して。痛みを強さに変える為に」  これ、私の声。  違う、私の声と重なって聞こえる。  「あなた、誰?」  そうだ、羽が在るから天使だって思ってたけど顔は見えない。  天使はフワリと木から舞い降りてくる。  その顔は・・・。  「もう一人の私。やっと気づいてくれたのね」  私!  何も言えずにただ呆然とする私に天使は言う。  「ここは死と生の世界の狭間」  天使はそっと私の頬に触れる。  「だから、死にたい私と生きたい私がここにいるの」  にっこりと微笑むその顔は確かに私と同じ。  「あなたは死にたかった。何もかも忘れて・・・。でも、私は生きたかった。全てを思い出して」  私は死にたかった?  違う。そうじゃない。  「私は、許せなかったのよ。私の存在が」  天使は少し悲しげな顔をする。  「ええ。でも、もういいでしょ?大丈夫。私がいるから」  そして、ぎゅっと私を抱きしめた。  「大丈夫。もう、泣いていいの。いつか笑える日のために、私の存在を認めてあげて」  私、きっと誰かにそう言って欲しかった。  たとえそれが私でも。  「そうね。もう、いいわよね」  そう言って、私も天使を抱きしめた。  多分、もう泣ける。  ほら、頬が熱いもの。

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誤字報告

― 【迷夢】 ―

文字数:699文字
 「ダメだよ。あんまり考え込んじゃ」  頭上で声が聞こえた。  天使の声だ。  「何で、邪魔するの。私、思い出さなきゃ」  そう、何でここにいるのか思い出さないと・・・。  「何をあせってるの?」  あせってる?私が?  「大丈夫。ここに時間なんてないんだから」  羽がひらひらと舞う。  「ゆっくりお休み」  私は天使の優しい声と揺ったりとしたこの空間で意識がもうろうとした。  考えなきゃ。  だって何か忘れてる。  なにを・・だ・・ろ・・・・う。  「能面みたいな顔して・・・」  「そんな絶望した顔」  「無表情だよ」  無表情?能面?  私そんな顔してる?  だって、知らない。  何でこうなったのか分からない。  私のせい?  これは私の顔だからこうなったのも私のせい?  別に絶望してるわけじゃない。  でも、鏡の中の私に表情なんかない。  ああ、やっぱり無表情なのかな。  そうなのかもしれない。  でもいまさら変えようがないし、このままでいいや。  このまま・・・自分は無表情なんだって認識してれば。  大丈夫。私に感情なんかいらない。  痛みも悲しみももういらない。  何も聞かない。  何も見ない。  何も言わない。  ほら、ダイジョウブ。  全ての感覚を断ち切って・・・。  ―――――――――――。  何かを忘れている。  何を?  ドウシテコウナッタノ?  どうしてだっけ?  何かきっかけがあったのに。  キッカケ・・・。  なんだったけ?  「・・・。」  ああ、そうだ誰かの言葉。  なんて言われたんだっけ?  「!」  やだ。  オモイダシタクナイ。  思い出せない。  思い出さなきゃ。  ワスレタイ。  忘れちゃいけない。  忘れられない。   イタミガヨミガエル。  この痛みは消えない。  傷跡は消せない。  だから、思い出さなきゃ!!  「キ・ラ・イ」  ――――――――――――――――――!!

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誤字報告

― 【子供】 ―

文字数:634文字
 「キャハハ」  「クスクス」  「オーイ。コッチダヨ」  子供の声が聞こえる。  楽しそうな笑い声。  走りまわる足音。  小さな子の泣き声。  ああ、私もこんな時代があったっけ?  違う。  私は、人と遊べない子だった。  いつも一人遊び。  みんなでやるすべりだいより  一人っきりのブランコが好き。  みんなでやる鬼ごっこより  一人っきりの本読みが好き。  みんなと走りまわるのなんか嫌い。  みんなで一緒に遊ぶのも嫌い。  私、いつもそうやってたような気がする。  一人で壁にへばりついて、  ずっと外を見てたような気がする。  誰にも関わらない。  そうやってきたような気がする。  『そんなに何も言わないでいるなら、人形になってしまうよ』  って言ったのは保育園の先生だった。  そんな頃から何も言わなかった?  泣いた事ってあった?  笑った事は?  私はどんな顔してた?  わからない。  だって、自分の顔はいつも見えない。  「ネエ、コッチ手伝ッテヨ」  誰?  あれは誰だった?  知ってるような声が聞こえたのに、私には思い出せない。  友達だった様な気がする。  私を傷つけた友達。  私は何故傷ついたんだっけ?  そうだ、約束をしたんだ・・・。  それで、その約束が破られて・・・  約束?  破ったのは友達だった?  ちがう。私が取り残されただけ。  私が行かなかったから。  私が聞かなかったから。  約束を破ったのは私?  それとも、友達?  どんな約束だった?  思い出せない・・・。  何かを忘れてるのに。  約束を?  違う、思い出したいのは約束なんかじゃなくて  そんな事なんかじゃなくて・・・  じゃあ、一体何を思い出したいんだろう?
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― 【天使】 ―

文字数:576文字
 あれ?  私、死んだのかな。  辺りは一面真っ白。  でもそこに一本の木がある。  桜?  白い花びらが落ちてきてる。  手を伸ばし花びらを1枚受けとめてみる。  違う。  鳥の羽根・・・  私はなんの鳥だろうと上を向いた。  逆光の中に人陰が映る。  上で輝いているのは太陽ではないようだ。  もう少し、柔らかい光。  なんだろう?  目がなれてきた頃。  木の上の人物が話しかけてきた。  「どうしてここに来たの?」  え。  天使だ。  なぜそれまで気付かなかったのか  人に翼が生えている。  そっか。  やっぱり私死んじゃったんだ。  「あなた、名前は?」  また、その天使が話しかけてきた。  「私は・・・」  !  なぜか自分の名前が言い出せなかった。  いや、忘れているわけではない。  ただ、その言葉を口にできなかったのだ。  「どうしてここに来たのかわかる?」  天使はもとの質問に戻した。  「死んじゃったからでしょ」  私は冷静に答える。  「どうして死んだの?」  天使の表情は見えないはずなのになぜか微笑んでいる様な気がした。  「手首を切ったの」  「なぜ?」  「なぜって・・・」  私はそこでわからなくなった。  私はなぜ自殺したんだろう?  そうしなければならないと思ったのはなぜなんだろう。  天使は微笑んでそこにいる。  ただ微笑んでいるだけなのに、それが私を安心させた。  「少し、疲れてるんだね」  羽根はヒラヒラと舞い落ちる。  何か考えなきゃいけないのに。  全てを忘れろと言うように・・・・

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誤字報告

― 【銀色】 ―

文字数:855文字
 それが予感だったのか。  それとも、偶然だったのかは知らない。  だた、そうしなければならないような気がしていた。  寒い日が続く冬のある日。  その日は晴れていて暖かかった。  ちょっと外に出る気になった。  日差しは暖かく降り注いではいるが、風はやはりまだ寒い。  コートとマフラーをして外に出る。  街角で見つけた雑貨屋さん。  何気なく入ってみる気になった。  カランカラン・・・  中にはいろんなものがある。  ランプに人形、アクセサリーに文房具。  その中で、私の目に留まった物があった。  銀色に輝くナイフ。  あまり飾りのないシンプルな物だ。  「気に入りましたか?」  急に声をかけられた。  ふと、目を上げる。  どうやら、ここの店主らしい。  エプロン姿で、優しげな瞳をしている。  髪は少しウェーブのかかっていて後ろで一つにまとめている。  男か女か分からない中性的な雰囲気だ。  私が何も言わないでいると店主はこう続けた  「これを持った人は皆、不思議な体験をしてるんですよ」   私はそのナイフに惹かれていた。  そのシンプルな銀の輝きもよかったが何よりも惹かれたのは、  不思議な体験をするという店主の言葉だった。  「あの、これいくらですか?」  少し高かったが結局買ってしまった・・・  ちょっと高い買い物だったかな。  でも・・・  これで、きっと――  その日からしばらく晴れた日が続いた。  雪は解けて地面が見え出していた。  でも、またそれを覆い隠そうとする様に雪は降り出してきた。  私は、雪の中をさまよい歩いていた。  ちょっとしたことで母と言い合ってしまった。  そのまま家を飛び出してきたのだ。  なぜか手にはあのナイフが握られている。  何だか、もうどうでもいいかも・・・  ちょうど雪の中だし・・・  いつも思っていた。  死ぬのなら雪の中。  手首を切るのがいい。  枕になりそうな木もあるし  うん。  いいかもしれない。  こいうのを運がいいとはいわないのかも知れないが、  私はそう思ってしまったのだ。  木の根っこに腰掛ける。  幹に体を持たれかけ、一気に手首を切った。  白い雪に紅い血はとてもキレイだった。  思った通り。  そう、  と・・て・・・も・・・・・。

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誤字報告

― 【ドリーム】 ―

―――夢を見た。―――  桜の下で出会った、天使の夢。  なぜ、天使は微笑むのだろう?  私の想いを知ってるかのように・・・   その天使はとても懐かしく  そして、不可思議な者でもあった。  夢は幻に過ぎないのだろう――。  それでも・・・・。

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誤字報告

― ウィンタードリーム :目次: ―

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ー 夢を見た ー
悪魔の夢。

それは偶然の出会いだった……ハズ。
追いかけてくるのは誰なのか。


ウィンタードリーム :ドリーム  :
悪夢    :
殺人    :
水鏡    :
願い    :

約5500文字
ここから先はお遊びも含みます。
~番外編~
01020304
約3500文字

登場人物


  華雪 (かゆき)
普通の中学生。悪夢を見てから、視線を感じる……


  兄 (あに)
華雪の兄。ちょっと過保護。


  ウォルト (うぉると)
華雪を遠くから眺めていたが……


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幼子たちの夢イメージソング


メクる」「ツギクル (AI分析公開中)」にも掲載。




誤字報告

― ウィンタードリーム 番外編4 ―

文字数:832文字  【罪罰】  「ウィリア・・・」  ウォルトは懐かしそうに呟いた。  自分がどんなに罪深いか知っている。  それを知っても、懐かしそうに呼んでくれるのか?  「なぜ、ここに?」  「華雪の後をつけた。ウォルトに会うために」  ずっと言えなかった言葉を言うために。  「俺に?なぜ・・・ずっと振り向かなかった俺を憎んでいたんじゃないのか」  「違う!!俺は君を悪魔に仕立て上げた 罪人(つみびと) なんだから」  うつむいたまま俺はウォルトの顔を見られなかった。  「ウィリア?いったい何のことだ」  「あの時、魔女のことを俺が父親に言いつけたせいで貴方達が追われる事になった・・・」  言わなきゃいけない。  「ゴメン!!ずっと、謝りたかったんだ」  「ウィリア。知っていたよ。いや、気づいていたと言うべきだな」  !!  なんで・・・  「あれから長い時間を生きてきて、なんとなく気付いていた」  その瞳はあまりにも悲しげで、今にも泣出してしまいそうに見えた。  でも、きっとそれは気のせいだったのかもしれない。  青い瞳は、冷たく輝いているだけだった。  何となくわかった。  ウォルトはあまりにも永い時間を生き過ぎてしまった。  だから、きっと探していたんだ。  「あの時の俺には、ウォルトだけしかいらなかったんだ」  ・・・・・・。  「今は、あの子だけ・・・華雪だけが大切なんだ。だから、もう同じ過ちは繰り返さない」  ドッ  たった一点に全ての力をかける。  「ウィ・・リア」  心臓・・・。  そこにナイフが刺さっている。  「ウォルト。君がいる限り華雪は幸せになれない」  滴り落ちる雫。  「過去の記憶を背負って生きるのは、辛く悲しい事。  君がいなければ華雪は過去に戻る事はないんだから・・・」  手が紅く染まっているんだろうか?  「ウィリア、あ・・りが・・・と・・・・」  彼が探していたのは自分を狩ってくれる者。  過去の残影は跡形もなく風に乗って消えていった。  残ったのは腕のしびれと、手の温かさ。  雪は風に乗って舞い、そこには白い空間があるだけ。  決めていた。  永遠の終止符をうつのは私だと・・・  それが役目だと。
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18歳・冬



誤字報告

― ウィンタードリーム 番外編3 ―

文字数:1713文字  【記憶】  夢を見た―――  罪人の夢。  「ウォルト、ねえウォルト」  いつも、ウォルトの傍にいたかった。  「ウィリア、いつも言ってるだろう俺は忙しいんだ。遊び相手なら他をあたるんだな」  「そんな冷たい言い方しないでよ。乳母の目を盗んでここまで来るの大変なんだから」  私の家はこの辺りを治める領主だった。  「だったら来なけりゃイイだろう」  ウォルトは農民の息子。  身分違いなのは誰が見ても一目瞭然。  「ウォルト、喋ってる暇があるなら手伝え!!」  向こうでウォルトを呼ぶ声が聞こえる。  ウォルトは私の方を振り向きもせず行ってしまった。  しかも私の片思い・・・  「お嬢様、またこんな所に来て!」  まずい・・・  乳母に見つかってしまった。  「いいじゃないのよ。ちょっとぐらい」  「いいわけありませんよ。こんな事がだんな様の耳に入ってごらんなさい。私までなんと言われるか」  ああ、また小言・・・  「さあ、もう戻りましょう」  「はーい」  私はいつもどうしたらウォルトが振り向いてくれるか、そればかりを考えていた。  でも・・・  私は今日も館を抜け出してウォルトを探していた。  そして、ウォルトが木の影にいるのを見つけた。  「ウォルト、やっと見つけ・・・」  誰か、女の子と一緒にいる。  あの子、確か村のはずれに住んでる『魔女』  赤い目のあの子を村人はそう呼んでいた。  あんな風にウォルトが笑っているところなんて見たことない。  「ウィリア様!」  その子は私に気づくとそそくさとその場から逃げ出した。  「ウォルト誰、あの子?」  あんな何もとりえのないような子が何でウォルトの傍にいるのよ!!  「お前に関係ないだろう」  冷たい一言。  そう言ってその場から離れていこうとする。  「待ってよ。あの子誰なのよ!私に黙ってあんなに親しそうに」  「おれが人と話すのに、あんたの許可がいるわけ?お嬢様」  !!  ウォルトは私の手を振り払って行ってしまった。  何よ。私にはあんなに楽しそうに笑わないくせに、私にはあんな風に・・・  ――――――――――  その日から私はあまり外に出なくなった。  帰ってきたお父様の顔がなんだか曇っていた。  「どうなさったの。お父様?」  私はお父様のそばに近づいて聞いた。  「ああ、ウィリア。最近、雨が降らないだろう。それで作物が実らなくて困っているんだ。  おまけに変な疫病まで流行り出して…

― ウィンタードリーム 番外編2 ―

文字数:745文字 《お兄ちゃんと、ウォルトの関係》編

【再会】
(主人公はお兄ちゃんです)  公園で華雪とあいつを見た時(・・・)、息が止まりそうになった。  なんで、ウォルトがここに・・・  「華雪!!」  「お兄ちゃんなんでここに?」  ずかずかっ  なんでまた出会う事になったんだ。  ウォルトは俺には気付かない。  「帰るぞ!」  グイッ  有無を言わさずに、華雪の腕を引っ張る。  華雪がこいつに出会ったって事は華雪は気付いてるのか?  「痛いよ!何なのよ一体?」  交差点で見かけたのもあいつだったのか。  家の中に入って、やっと腕を放す。  「いいか!あいつには近づくな!!」  怒鳴るような声でそう言ってしまった。  「ちょっと、何でお兄ちゃんにそんなこと言われなきゃならないの!!」  華雪も怒鳴り返してくる。  「あいつは、お前の・・・」  言うべきじゃない!!  「いや。とにかく近づくな。あんな得体の知れない奴なんかに・・・」  あいつは華雪にとって良くない。  知らない方がいい事もある。  あいつは華雪の・・・  次の日の夜。  華雪が家を抜け出すのを見かけた。  俺はこっそりと後をつけた。  あいつがいる!!  公園で、あいつは華雪を待っていた。  華雪の声が途切れ途切れに聞こえてくる。  記憶が戻ってきていたらしい。  過去の忌まわしい記憶が・・・  「もう、この町を離れるから、お別れに・・・」  ウォルトの言葉が聞こえる。  そう言って、華雪に背を向けて歩き出した。  華雪はその場を動かない。  俺は今度はウォルトの後をつけた。  しばらくして、ウォルトはつけてきた俺に気が付いたようだった。  足を止めて、後ろ・・・つまり俺のいる方を向く。  「誰だ?後をつけてくる奴は」  物陰に隠れていた俺はそこから出てくる。  「君は・・・」  俺を見て何かを感じたらしい。  「たしか、華雪のお兄さん?」  が、気付いてはいない様だ。  「ウォルト・・・」  ウォルトの目が大きく見開かれる。  ―――――――――

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誤字報告

― ウィンタードリーム 番外編1 ―

《もしも、主人公がヴァンパイアになっていたら》編
 【覚醒】
 それから、彼の姿を見たことはなかった。  そして、夢は覚めない。  毎夜見る悪夢が、ウォルトなのか私なのか区別がつかなくなってきた。  夢と現実の区別もつかなくなる。  そして、悪夢は繰り返される。  血の香りが、眠りから目覚めさせてくれる。   私の願いが今、叶えられる・・・

目次


誤字報告

― 【願い】 ―

それから、彼の姿を見たことはなかった。  過去の呪縛から溶けた私は、もう夢を見ない。  それでも、あの雪の日に彼はいたのだと、時々想い返す。  今の私は、ただ彼の罪の呪縛が溶ける様に願うだけ・・・  そして、ヴァンパイアはもうここにはいない。
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16歳・春






誤字報告

― 【水鏡】 ―

文字数:1619文字  夢を見た―――  悪魔の夢。  そう、それは悪夢。  闇に浮かぶ満月。  滴る血。  人々の叫び声。  恐怖が辺りを包み込む。  殺すことを楽しんでいるこの身体の持ち主。  多分、村人への復讐なんだろうけど酷すぎる。  子供まで容赦なく殺してる。  口の中に血の味が染み込む。  憎しみの味。  そして、干からびる死体。  !!  ヴァンパイア――――  この身体、もう人じゃない!  『永遠の罪』ってこういうことか。  だから、迷っていたんだ。  生きたいけど、人ではいられない。  いつか、これと同じ思いをしたことがある。  え?  何言ってるんだろうそんなはずない。  私、人を殺したことなんてないのに・・・。  パシャン  湖に来て血を洗い流している。  ふと空に目がいく。  月が綺麗に出ている。  水が汚れを落としてゆく。  顔を洗おうと水に顔を近づけたその時・・・  !!  水鏡に、この身体の顔が映る。  それは、あのウォルトと同じ顔だった。  だけど、私にも似ている・・・。  私に?  私の顔を、男の子にしたらこんな感じだろうか。  ただ、瞳だけは違っていた。  憎しみに燃えるような、後悔に駆られるような・・・  私はこんな瞳を知らない。  ちがう。  遠い過去に見たことがある。  これと同じ瞳を。  いつ?  いつだったのだろう?  い・・つ・・・・  ――――――――――!!  目が覚めた。  何なのよあの夢。  え・・・っと  何の夢だっけ?  ヴァンパイア?鬼?の夢・・・  ウォルトが鬼?  うーん。ちがう  ヴァンパイア!!  そうだ、彼がヴァンパイア  彼がヴァンパイアなら私の願いが叶う  もし本当にヴァンパイアなら・・・  ん?  今、何時なの?  私は、傍にあった時計に目をやる。  げ!!  やばい・・・。  もう授業始まってるんじゃないの!!  バタ バタンッ  慌てて着替えをすませる。  そして、階段を駆け下りる。  「華雪、どこいくんだ?」  お兄ちゃんが呑気にそう言ってる。  「お兄ちゃんどうして起こしてくれないの!!遅刻しちゃうじゃない」  「今日、日曜だろ」  え?  ピタッ  かあああぁぁぁ  顔が赤くなる。  そうだ、今日は休みだ。  「何、慌ててんだ?」  「ハ、ハハッ・・・ちょっと勘違い・・・」  私はそのまま、Uターンして部屋に戻った。


 その夜。  うつらうつらとしていた時・・・  コツン コンッ  ナニ?  窓に何かがぶつかる音がする。  ここは二階なのに…

― 【殺人】 ―

文字数:1774文字
 夢を見た―――  悪魔の夢。  崖が真上に見える。  あの夢の続きかな。  体のあちこちが痛い・・・  私は空を見ながら思った。  いや、実際にそう思ってるのはこの体の持ち主だろう。  あお向けになった身体は動くことも出来ないようだった。  あれ?  この身体の思考は何も感じられない。  死んでるのかな?  サク サクッ  草を踏む音が聞こえる。  誰か近づいてくる?  人影が、視界の端に見えた。  男の人?  まさか、村人じゃないでしょうね・・・  ピクンッ  この身体の手が動いた。  (誰?)  あ、生きてたんだ。  近づいてくる人影は、どうやら村人ではない。  若い男の人だ。  「その身体では、もう死ぬしかないな」  その人は冷ややかにそう言った。  助けてくれるのかと思ったら、何てこと言うのよ。  (死ぬ!?)  「イヤか?私にその身を預けるなら助けてやってもいいが・・・」  助けてくれるのなら最初からそう言いなさいよ!!  「永遠の罪を背負う覚悟があるなら」  ???  なんの事?  (!!)  この身体の持ち主は意味がわかったようだ。  (・・・・・・)  何かを考えてる?  何迷う事があるのよ!!  助けてくれるって言ってるんだから、助けてもらいなさいよ!  ―――――――――――  「た・・す・・・・・け・・て・・・・・」  声を振り絞ってそう言った声が聞こえた。  「よかろう」  そして、その人はこの身体の唇に自分の唇を・・・  キスーーーーー!!!!  ちょっと、私のファーストキスどーしてくれんのよ!!  ま、いいや。これ夢の中だし  じゃなくて、この身体確か男じゃなかった?  ・・・・・・・・  考えない事にしよう・・・・  この身体は、力つきて意識がなくなってゆく。  あれ、 この人の目、誰かに似てる。  誰だっけ?誰かに・・・  だ・・・れ・・・か・・・に   ――――――――――!!



 目が覚めた。  「おい!!また遅刻する気か」  目の前に目があった。  「きゃああああぁぁぁぁぁ」  と思ったら、お兄ちゃんの顔だった。  「な、なんで、部屋に入って来てるの!?」  いつもなら、ちゃんとノックしてくれるのに・・・  「なんでって、お前が起きてこないからだろ。まっ遅刻したいなら別だが」  「遅刻?」  私は、傍にあった時計に目をやる。  げ!!  やばい・・・。  あと5分で、始業のベルが鳴る。  慌てて着替えをすませる。  そして、階段を駆け下り…

― 【悪夢】 ―

文字数:2019文字
「じゃあね。また明日、華雪(かゆき)」  「バイバーイ」  友達と別れた後、私は公園の前で足を止めた。  委員会で学校に遅くまで残っていたので、あたりはもう暗くなっている。  雪も降ってるし、公園の中を通っていこうかな。  そう思ったのは偶然だった。  公園を通るのは近道になる。  だけど、いつもは通らない道だった。  人の姿はなく、電灯が公園を照らしている。  ガサッ  突然の音に身体がビクンと震えた。  なんだかいやな予感がした。  私は音のした茂みの陰を覗きこんだ。  そこには、普通の恋人同士が抱き合っている姿があった。  なーんだ。  見なかったことにして通り過ぎようとした時だった。  え?  一人が崩れ落ちるようにもう一人によりかかる。  女の人が干からびている!?  そして、男の人がゆっくりとこちらを振り返る。  !!  目が合った。  その唇からは血が滴り落ちている。  雪が血に染まる。  背筋が凍りついた。  ―――人間じゃない!!――――  直感的にそう思った。  私は慌ててその場を逃げ出した。  バタッ バタタンッ  家の階段を一気に駆け上がって自分の部屋に入った。  ハァハァ   息が苦しい。  何だったんだろう?  もう一度よく考えてみた。  あの女の人死んでしまったのかな?  ちがうよね。  人があんな風に死ぬことなんてないもの。  あれはきっと何かの見間違えで・・・  ―――違う―――  私の頭のどこかでそう感じてる。  ―――彼はあの人を殺した。―――  どうやって?  ―――血を吸って―――  !!  そんなはずない。  まるで、  吸血鬼(バァンパイア)・・・みたいな  ヴァンパイア?  もし彼がヴァンパイアなら私の願いが・・・  ――――――  何考えてるんだろう。  バカみたい。  ヴァンパイアなんているはずないのに。  早く寝てしまおう。  そうしたら、きっと何もかも忘れている。  私は早々とベットに入った。  夢を見た―――   悪魔の夢。  どこかの森の中を走っていた。  この身体が勝手に動いている。  (逃げないと・・・  鬼が追いかけてくる。)  誰の声?  (早く逃げないと)  声は頭の中から聞こえてくる。  この身体、私のじゃない?  男の身体みたいな?  この身体は、森の中の道なき道を走ってる。  身体のあちこちに小さな引っ掻き傷がついている。  突き出た小枝がまた傷をつけていく。  「捕まえろ!」  「逃がすな!!」  後ろか…

― 【ドリーム】 ―

―――夢を見た―――  闇色の瞳をした  悪魔の夢  彼が人じゃないことを、知っている。  絶望した彼の横顔。  彼の願いは叶わないまま。  幾千年が越えてゆく。  夢が時間を止めた―――。

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― フォールドリーム :目次: ―

イメージ
ー 夢を見た ー 人魚の夢。

無くした記憶の向こうで誰かが呼ぶ。
僕は古ぼけた家で記憶をなくしたまま、女の子と過ごす。

フォールドリーム :ドリーム  :
沈む    : 
水の中   :
ナイフ   :
バイバイ  :
水の泡   :

約5500文字
ここから先はお遊びも含みます。
~番外編~
0102
約1500文字 登場人物

カイ
記憶をなくした主人公。


深織 (みおり)
人魚……に見えた女の子。



他のキャラ画像はこちら
幼子たちの夢イメージソング


メクる」「ツギクル (AI分析公開中)」にも掲載。




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― フォールドリーム 番外編2 ―

≪もしも、記憶が戻らなかったら?≫編
【病院】
眠ったままの雅深。  周りにはいろいろな機械が取り付けられている。  人のいないその部屋はガランとしている。  外は、枯葉がまっている。  人は寒そうに足早に歩いている。  コチ コチ コチ  その部屋は時計の音だけが響いていた。  外からナースの声が聞こえてくる。  「この病室の患者さん、いったいいつからここにいるんですか?」  「もう30年近く眠っているらしいわ」  「でも、お見舞いの人とかあまり来ませんよね」  「見放されてるのよ。ずーと病院にいれとく気だと思うわ」  「そうなんですか。なんだか可哀相ですね」  そうして、ナースたちの声は遠くなって行く。  真っ白なその部屋の中。  聞こえるのは時計の音。  そこにあるのは眠ったままの身体。  けれど――――――――  キャハ  クススッ  雅深に聞こえるのは波の音。  見てるのは深織の姿。  そこにあるのは、雅深だけの楽園。  雅深は夢を見つづける。


≪もしも、ナイフが刺さってしまったら?≫編  【バイバイ】    ――――――  今夜は、眠れない。  ザ――ン  ザザッ――ン  遠くで波の音が聞こえる。  部屋の中は暗く、何も見えない。  夜の静寂が辺りを包み込む。  カタン  障子戸が開いて、深織が入ってきた。  深織の手に光るものが見えた。  「眠れないの?」  深織が僕に聞いてきた。  「深織も?」  僕は聞き返す。  「うん」  しばらくの沈黙。  目が暗闇になれてくる。  「殺さないの?」  僕は深織に聞いた。  深織はたぶん、僕を殺すためにこの部屋に来たんだ。  深織が驚いた顔を上げる。  動揺した瞳を僕に向ける。  そして、静かに銀のナイフを持った手を、振り上げる。  その手が、震えているのがわかる。  あの『夢』のように  ザン  波の音と同時に、僕に向かってナイフを・・・  ――――――――――  暖かいぬくもりが、胸に広がる。  赤黒い血が流れでる。  「カイ!!」  深織の叫び声が聞こえる。  僕は痛みを感じているんだろうか?  「ごめんなさい。ごめ・・・な・・・」  深織が泣きながら、すがりついてくる。  「大丈夫だよ。深織」  言いながら、頭の片隅で『死ぬかも』と思った。  心臓が必死で動いているのがわかる。  「何処にも行って欲しくなかったの・・・」  抱きしめている深織が震えながら言った。  だんだん呼吸が早くなっていく。  「でも、もう終わりだね。あ…

― フォールドリーム 番外編1 ―

≪もしも、ウィザード(まほうつかい)がいなかったら?≫編
【・・・・・・】
コポ コポポッ  あれ?  沈んでいく・・・  深くゆっくりと  静かに  P.S  う~ン きっと海の底まで沈んでいくだろうな。


≪もしも、ウィザード(まほうつかい)が願いを断ったら?≫編
【水の中】
夢を見た―――  人魚の夢。  水の中。  「ウィザード様。どうかお願いです。」 ウィザード(まほうつかい)?  人魚がフードをかぶった人に願っている。  「それは、むりだ」  え?・・・   コポッ コポポッ  水が声をさえぎる。  よく聞こえなかった?  「あの~今なんて?」  引きつった顔で聞き返す。  「だからムリ!!」  きっぱりと言いきっている。  ―――――――――――!!  何で~台本(?)と違うじゃない!  P.S   って事にはならないだろう・・・




≪もしも、崖から落ちて死んでたら?≫ 編  【沈む】  ガラッッ   え゛?   嫌な予感がした・・・。   案の定、足元が崩れ落ちてゆく。   ザッザザアアァァァァ  天と地が回転する。  周りの石や砂と一緒に、落ちてゆくのがわかった。   あちこちに痛みが走る。  そして、後頭部が激痛におおわれる。   覚えていたのは、そこまでだった・・・・・。      夢を見た―――  楽園の夢。  色とりどりの花が咲き乱れている。  その中に、僕はたたずんでいた。  ―――――お・・・い・・・で・・―――――  誰かが向こうで手招きしている。  誰だったろう?  その人達のほうへ近づいていく。  あっ  おばあちゃんだ。  「よく来たねぇ」  おばあちゃんが抱きしめてくれる。  「おばあちゃん!!」  ――――――― ・ ・ ・ ――――――  遠くで誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした。  「さあ、向こうへ行こうか」  「うん」  やさしく髪をなぜてくれる。  あれ、そう言えばおばあちゃんもう死んでなかったけ?  ま、いいや。  向こうのほうが楽しそうだもの。 目次




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― 【水の泡】 ―

退院の日。  私は、花束を病院のそばの海に投げた。  花束は、海に飲まれるように波間に消えていく。  ―――――ザン ザザ――ン  波は、静かに響く。  遠い夢を思い出すように・・・。  コポポッ  ―――― カ・・イ・・――――  誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした。

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15歳・冬




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