2019年 2月のアーカイブ

― 【バイバイ】 ―

文字数:2147文字  バシャン パシャ  水がはねる。  その中に深織がいる。  深織は今日も、海で泳いでいる。  それを浜辺で見ている僕。  綺麗な深織。  水が深織の周りでキラめく。  やさしい時間が、ゆっくりと進んでゆく。 「カ――イ」  深織が、海から上がってきた。...

― 【ナイフ】 ―

文字数:1278文字  パシャン バシャッ  遠くで水音が響く。  深織は毎日、ここにきて泳ぐ。  午後の日差しは、まだ暖かかった。  それでも、海の水は冷たい。  深織は、人魚のように泳ぐ。  美しく軽やかに・・・・・・。  僕はそれを、ボーと浜辺で見ていた。  傷はもうす...

― 【水の中】 ―

文字数:1188文字  夢を見た―――  人魚の夢。  水の中。 「ウィザード様。どうかお願いです。」   ウィザード ( まほうつかい ) ?  人魚がフードをかぶった人に願っている。 「よかろう。ただし・・・・・―――」  コポッ コポポッ  水が声をさえぎる。  よく聞こ...

― 【沈む】 ―

文字数:964文字  ガラッッ  え゛?  嫌な予感がした・・・。  案の定、足元が崩れ落ちてゆく。  ザッザザアアァァァァ  天と地が回転する。  周りの石や砂と一緒に、落ちてゆくのがわかった。  あちこちに痛みが走る。  そして、後頭部が激痛におおわれる。  覚えていたのは...

― 【ドリーム】 ―

 ―――夢を見た―――  童話の中みたいな  人魚の夢  なぜ、こんな夢を見るのか知らない。  人魚は、悲しげにこちらを見つめる。  美しい人魚が忘れられない。  なぜか その人魚を知っている。  夢の中のことなのに―――。      次へ>>

― サマードリーム :目次: ―

― 夢を見た ― 妖精の夢   ミラク:作  ―――夢を見た。―――  幼い頃出会った、妖精の夢。  妖精との約束を思い出せない。  ドリームシリーズ1夏   サマードリーム : ドリーム   : : 再会     : : 風の中    : : 約束     : ...

― サマードリーム 番外編2 ―

≪子供の頃は?≫ 編  【だあれ?】  ザワザワ  樹が風に揺れて、鳴いている。  その樹の下で、私は一人で遊んでいた。  ボールがポンポン跳ねる。  ザアァァ  強い風が吹いた。 「キャ」  髪が顔にあたって、目の前がまっくら。  あれ、ボールない?  あ、あった。  樹...

― サマードリーム 番外編1 ―

≪もしも、妖精に出会わなかったら?≫ 編  【 ・・・・・・・】  話にならない・・・・。 ≪もしも、妖精についていったなら?≫ 編  【バイバイ】  夢を見た―――  妖精の夢。  過去の私がいる。  夢の妖精も  夏の光の中で・・・  かくれんぼをしていた。 「どこ?フ...

― 【バイバイ】 ―

文字数:1214文字  ザン ザザァ  涼し気な波の音が聞える。 「ねっ、結構いい所でしょ」  雷那が別荘を指差しながら言った。 「風夢は来れなくて残念だけど、二人で思いっきり楽しもうね」  明るい声の雷那。 「うん」 「部屋に行ったら着替えて、海に行こう」  二人で泳いで楽し...

― 【約束】 ―

文字数:2039文字  しばらくは何も無かった。  妖精の事など忘れていた。  夢も見なくなっていた。  期末テストが近づいていた。 「冷夏、あたりそうな所教えて」  雷那が、いつも通りすがってきた。  テストが近づくと、いつもこれだ。 「雷那、人をあてにしないでたまには自分...

― 【決着】 ―

文字数:313文字 「私の勝ちだね」  夏休みの終わり。  冷夏は現実を選んだ。 「そうだね」  フゥームが月明かりの中たたずむ。  ここは学校の屋上。  私の家に来たフゥームがここに移動したのだ。 「心配しないで」  私はふっと気を緩めて笑う。 「冷夏は私が護るから」  フ...

― 【忠告】 ―

文字数:1443文字  教室でボーとしている冷夏に声をかける。 「おはよん」  冷夏はビクンと体を震わせ振り向く。 「何よ、そんなに驚く事ないじゃない」  昨日、冷夏は彼にあったのかな。  だって、彼が冷夏を見てる。 「昨日、彼と何かあった?」 「え?何が?」  目をぱちくりし...

― 【転校生】 ―

文字数:1153文字 「転校生の秋月風夢君だ」  その子を見たときイヤな予感がした。  彼は人じゃないと。  そして・・・彼は。  放課後・・・  私たち2人以外、誰もいない教室。  今日まで提出の課題を冷夏に手伝ってもらっていた。 「いつも男に興味の無い冷夏が珍しいねボーと...

― 【夢の終わり】 ―

 妖精を夢見ていたのは私だった。  だから、彼を見つけることが出来た。  たぶん、これからも妖精の夢は見るだろう。  だけど、妖精には会えない―――――   <<前へ      15歳・冬

― 【バイバイ】 ―

文字数:2038文字 「令夏。次、これ教えて」  暑い夏休み。  長い夏休み。  そして、宿題の夏休み。  私は雷那の家にいた。  もちろん、3人で勉強会をしている。  長かった夏休み、勉強会と称しては雷那の家に集まり  そして、遊びほうけていた。  おかげで、夏休みも後少し...

― 【約束】 ―

文字数:2072文字  しばらくは何も無かった。  妖精の事など忘れていた。  夢も見なくなっていた。  期末テストが近づいていた。 「冷夏、あたりそうな所教えて」  雷那が、いつも通りすがってきた。  テストが近づくと、いつもこれだ。 「雷那、人をあてにしないでたまには自分...

― 【風の中】 ―

文字数:1039文字  あれから、なぜか3人で帰る事が多くなった。 「冷夏、帰ろうよ」  雷那がいつものようにそう言ってきた。 「あ、ちょっと待っててくれる?日誌を書いて、職員室に持っていくから」  黒板を消し終わった私は雷那の方を見ていった。  雷那は私の席に座っている。 ...

― 【再会】 ―

文字数:2984文字 「 冷夏 ( れいか ) 、今日転校生が来るんだって」  友達の 神矢 ( かみや ) 雷那 ( らいな ) がぱたぱたと廊下を走りながら、そう言ってきた。  教室にいた私は、初夏の風になびく髪を邪魔そうにかきあげた。 「へえ、で男?女?」 ...

― 【ドリーム】 ―

 ―――夢を見た。―――  幼い頃出会った、妖精の夢。  なぜ、妖精だと思ったのか覚えていない。  その子は羽根もなかったし、飛ぶこともしなかった。  ここに引っ越して来てからは思い出した事などなかった。  なぜか涙が止まらなかった。  夢の内容は覚えていない――。  ...

― 僕らが生きる死に逝く時代 ―

君が生きた時代を僕は見てる。 この世界に僕は生きられず 君はその世界で生きる。 触れることさえない時間 どこへも行けない僕と どこへでも行ける君 肉体を持たぬ僕と 肉体を持ちえた君 この扉は永遠に開かない 僕が生きた時代を君は見てる。 この...

― 短い詩 1 ―

+ 【喰】 + 【諦め】 + 【今は】 + 【忘却】 + 【言葉の欠片】 【喰】 飽食の時代。 絶望さえも食らい尽くす。 残るのは虚無感。 【諦め】 それは頑張った結果ですか? それはやり遂げた後ですか? それは極め...

― ファビコン ―

ファビコンを作ってみた。 このブログ 時の交叉路 と 流風童心 と 徒然双樹 のファビコンとして使ってる。 <<あやつり    絵    色線>>