≪もしも、妖精に出会わなかったら?≫ 編
【 ・・・・・・・】
話にならない・・・・。
≪もしも、妖精についていったなら?≫ 編
【バイバイ】
夢を見た―――
妖精の夢。
過去の私がいる。
夢の妖精も
夏の光の中で・・・
かくれんぼをしていた。
「どこ?フゥーム」
「レイ。こっちだよ、早く見つけて」
―――――――――――――――――!!
目が覚めた。
涙が頬をつたう。
私と遊んだ妖精。
私を迎えに来た妖精。
私が見つけた妖精。
月明かりが入ってくる。
人影がうつる。
キィ
窓が開く。
トンッ
妖精が入ってくる。
「おいでよ。一人では、さみしすぎる」
差し出されたその手をつかめば、きっと行ける。
夢の中。苦しみも、悲しみもない世界に
行きたい!!
そして
私は、妖精の手をつかんだ。
「現実(ここ)にはもう、何もないの。 いつも、フゥームを呼んでたの。ずーとフゥームだけを待ってたの!!」
夢を見たいの。
妖精の夢
いつも夢見てた、あの頃に 環 りたいの。
月が妖精を包み込む。
「行こう。永遠の夢の中に・・・僕が連れていってあげるから」
妖精の言葉は、本当。
私も月の光に包まれる。
ゆっくりと意識が沈む。
連れってって
妖精のいる夢の中に―――
(ここからは、雷那の視点です)
2学期
冷夏のいない放課後の教室
「冷夏、どこへ行ったの?」
一人っきりで、つぶやいてみた。
「・・ライナ・・・・・」
ふいに冷夏が後ろで呼んだ気がした。
パタ パタパタ
振り向いても冷夏はいない。
ただ、カーテンが風になびいてるだけ・・・・
ざあぁぁぁ
風の音の中に声を聞いた気がした。
「クスクス・・・フゥーム、みーつけた」
「レイにみつかちゃった。・・・・フフフッ」
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