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1【マッチ売りの少女の家族】
「お「は?」
またまた、なんだか
本から目を上げると、やはりこちらなんて一つも見てない少女がたどたどしく続ける。
「んとねー。自分のお家を燃やしちゃう人が増えてるんだって」
「それは……すごいな。次の日の
「けーむしょ?」
「で? 燃やしたいのか?」
「んー。ううん。別に燃やしたいわけではないけど」
元の口調に
「マッチ売りの少女がいっぱいいるんだなって思って……」
「
本にしおりを
少女はこちらを見て、にっこりと笑う。
「自分の家を燃やしてしまう人は、家族に問題がある場合が多いんだって
だから、『家を燃やしたい』わけじゃないんだよ。
聞いてほしい何かがある。家族なら聞いてくれる。でも、家族だから聞いてくれない事もわかってる。
家を燃やしたら、こっちをみてくれる。聞いてくれる。それを期待してる」
「つまらん……よくある話だ。いちいち、家を燃やしてたらキリがない」
そっけなく
キッと
「家族だから
家族の
家族であることを
マッチ売りの少女もマッチの火の中に最後に見たのは
『
そんな話だったのか…と考えると同時に、少女が子供に
「バカ―――」
そして、
少女はこうやって聞くだけで満足しているのだろうと思う。
とりあえず、今はただの
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