【終末・闇】~闇に漂う空間~
星……。
満天の……。
綺麗。
何処からか声がした。
『これで、良かったと?』
ああ、死神だ。
『未来は何時だって、神の予測可能域だろう?』
『予測はたった一人の想いで変わる。
それに、望んだのは、こんな事ではない』
『……僕だって、意外ですよ。
妹がこんなに大切だなんて……』
『透が願った事を、あの子が望んでるとは思えない』
『それでも、いい。一瞬でも長く、生きて欲しい。
ただ、それだけだから』
『そう……』
『読めませんか?あの子が行く先を……』
『読めない。あの子は星だから、
でも……いや、なんでもない』
『でも、未来の終着は決まってる。
神が消えたその日からの『定め』だから』
『!!知って……いたの?
違う、同調したのね。星になった時に。それでも?』
『……』
『……』
『未来は予測不可能域でしょう?』
『そう、ね』
あの時間、あの場所、あの場面。
もしも、出会わなければ。
もしも、望まなければ。
もしも、選ばなければ。
そうすれば、違っていたかもしれない。
『星は何を望むだろう。
ねぇ、貴夜。君には判るだろう』
だって、君は僕の……だから
全てが壊れる。
全てが始まる―
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