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― 夢見る日々の果て ―

2023/09/03

27:夢見る日々の果て

文字数:約766文字
 変わり逝く時代。
 立ち止まっては― 振り返ってますか?

――――――――――――†――――――――――――

 いつか……
 いつか変われる日を夢見てる。

 退屈でつまらない日々。
 淡々と日々は過ぎていき、心に留まるものなんて一つもない。
 自分が何を見ているのか
 何を目指してるのか
 それさえも判らないまま―

 あ、まだあったんだ。
 年末の大掃除の時にそれは見つけた。
 掃除といっても部屋の整理だけ、適当に片付けるつもりだった。
 見つけたのは小学校のアルバムとかそういったもの。
 普段は見ることさえないけど、こんな時は少し広げてみる。
 その中に捨てたと思ってたものが混ざってた。
 ……やっぱり、へたくそ……
 広げるページには落書き。
 描くのが楽しくて、いろんなノートに落書きして、
 でも、先生にそのまま提出するのは恥ずかしくて消して――
 その中で描いたまま提出していたノート。
 自分で好きにレイアウトしていいって言われたから、
 片隅にお絵かきスペースを作って描いていた。
 先生も何も言わなかったし、私も楽しかった。
 ……よく、こんな下手なの描いてたわね。
 広げるページはどれもこれも似たような絵。
 上半身だけの女の子。
 ああ、でも、楽しかったな。
 ただ描く事だけに夢中で、
 描く為にそのページの他のお勉強スペースを埋めて。

 今の絵と大違い。
 ただ描かなきゃって思いながら描いて、全然楽しくない。
 昔より上手いけど、でも誇れる絵じゃない。
 昔のように純粋に一生懸命描いてない。

 未来の自分を夢見れたあの頃。
 今は……未来なんて変わらない。
 夢見る時間はとうの昔においてきた。
 ……昔の自分に嫉妬する。
 昔は良かった、なんて思う程生きていない。
 それでもそう思ってしまうのは、諦めているから。

 めくるページはへたくそな絵。
 どれもこれも同じ……
 笑っている―

 笑顔――――

 まだ、夢見る事はできますか?
 頑張ろう――




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