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― 蒼き光 ―

2023/09/03

28:蒼き光

文字数:約836文字
 招かれ手繰り寄せらる。
 其処にいた者― 何処へ行った?

――――――――――――†――――――――――――

 その声が聞こえたのは、必然だったのかもしれない。


『……何処行くの』
「え?」
 教会で一人お祈りをしていた私は、辺りを見回す。
 そこには誰もいない。
 気のせい?
 そう思ってまた、手を組み合わせた時だった。
 十字架が青く光った!
 と、思ったのまでは覚えている。


『……待って』
「あ?なんか言ったか?」
 俺は去っていこうとする友人を呼び止めた。
「何も言ってねーけど?」
 不思議そうに見返される。
「何か聞こえたような……」
 きょろきょろとあたりを見ても誰もいない。
「何言ってんだよ。じゃーな」
「あ、ああ」
 おかしいな?
 と思って歩き出そうとした時だった。
 何かが青く光った。


『……いかないで』
 え?
 買い物帰り確かに声を聞いた気がした。
 振り返って見たけど誰もいない。
 足元にペンダントが落ちているだけ。
 何だろうこれ?
 そう思って拾おうとした時だった。
 それが青く光った。


『……おいてかないで』
 ……これだ。
 それに手をかけた瞬間、青い光が僕を包んだ。
 …………。
 気がついたその場所は薄暗い空間だった。
 瞳が6つ僕を覗き込んでた。
「また、誰か来た」
 そのうちの一人が言った。
 僕はむっくり起き上がる。
 茶髪に琥珀の瞳の男。
 栗色の髪に青い瞳の女。
 緑の髪に赤い瞳の女。
 世間で騒がれてる神隠しの被害者達。
「あの。お名前は?」
 おずおずと青い瞳の子が聞いた。
「とりあえず、君たちを助けに来た者だよ」
 僕は辺りを見回して答えた。
 3人は胡散臭げに僕を見る。
 それには構わず、あたりを適当に歩き回った。
「なるほどね。見落とす所だった。
 宿り身は石の方だったわけだ」
「石って十字架の中央に入ってた?」
「ペンダントにはまってた?」
「石?」
 3人は同時に声をあげた。
「やっと見つけた。もう、待たなくていいんだ」
 僕は足元にあった石を壊した。

 パアン

 強い衝撃と青い光がそれぞれを元いた場所へ戻す。
『ああ、戻ってきてくれた』
 2つの青い光が空に消えるのが見えた。





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