微エロ注意
文字数:約1424文字
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22【障子戸と鼻くそ】
夢を見た。何かの講座に参加して、ある女性と意気投合した。
「家を出たいと思っている」
と私が話すと、女性は「私の家に来たらいい」と誘ってくれた。
深くは考えずに、女性の家へと行った。
そこは一軒家だった。
廊下を通って、とある一室へと入る。
ドアを開けると、部屋の向こう側は障子戸になっている。
下半分はガラスになっていて、障子戸の向こうは廊下になっている事が判った。
二人で話していると、髭が伸び放題で赤ら顔の男性がやってきた。
ふすまを開けて入ってくると、私に向かってこう言った。
「お前もここに居たいなら、居たらいい。俺の相手をしてくれたらそれでいい」
一瞬、相手の言っている意味が分からなかった。
前半は私をここに置いてもいいという事。後半は……。
私が何かを答える前に、男性は女性の腕を引っ張り上げた。
「お前は、俺の相手をしろよ」
彼女は私に小さく手を振った。
「ちょっと、行ってくるね」
ああ。そーいうことかと納得した。
それもいいかもしれないと思いながら、二人の営みが終わるのを待つ。
再び誰かがやってきた。
中年の女性で、派手な化粧をしている。彼女の母親のようだと思った。
「またやってるの?」
二人が入って行った部屋を見ながら、その女性がため息とも嫌悪とも取れる様な息を吐き出した。
「あんたも同じなんでしょ」
吐き出すように言って、ふすまを閉める。
あの人は、娘と父親のやっている事を嫌悪しながら、止めないんだと思った。
しばらくして、彼女が戻ってきた。
「ちょっとめんどくさいけど、本当にここに居たかったら、そうしていいから」
彼女はそう言って笑った。
「妹には会った?もう、帰ってきてると思うんだけど」
そう言いながら、再び部屋から出て行く。
私は彼女の後に付いて、部屋から出た。
妹の名前を呼びながら、彼女は廊下を進む。
ある部屋の前で、彼女の声と足が止まった。
「いた。いた。ここ……見える?」
障子のはめ込まれた戸は一部がガラスになっていて、中が見える。
そこから、部屋の中をのぞき込む。
けれど、中は真っ暗で人らしいものは見えなかった。
「ねー。可愛いでしょ。私の自慢の妹なの」
彼女はにこにこしながらそう言うが、私には妹の姿が確認できない。
「ちょっと待っててね」
と言って、彼女は再び元の部屋へと戻る。
私はどうしたものかと思ったけれども、待っていてというのだからと待った。
と、部屋の中で音がして、人がいる気配がした。
「また、おねぇちゃんでしょ。近寄らないでって言ってるのに」
戸が開かれ、腕が伸びる。
その腕が私の腕を引っ張って、部屋の中へと引きずり込む。
部屋の中は、やはり暗かった。
けれど、先ほどは見えなかった妹の姿が目の前にあった。
190センチはありそうなくらい、大きな背丈。
身体もがっしりとしていて、彼女の妹には見えない。
「……だれ?」
ぽつりとつぶやく声に、何と答えればいいのか判らない。
「あー。おっはよー。起きたの?」
彼女が戻ってきて、妹にじゃれつく。
「邪魔!!消えて」
妹は即座に、姉である彼女と、私を部屋から追い出した。
「もー、恥ずかしがり屋なんだから」
彼女は天然なのか、シスコンなのか、妹が好きという感情しか持ってないようだ。
再び、元の部屋に戻った。
「いい子なんだよー」
彼女は妹自慢をしながら私の足に鼻くそを付けた。
それを見ながら、『気持ち悪いな』と『別にいいか』という二つの感情が混ざった。
「でね……すぐなれるから」
彼女がそう言って、私の方を見た。
目が覚めた。
足に鼻くそは無かった。
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