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27【再会と退室】
夢を見た。女性が一人私の傍に居て、私の名前を呼ぶ。
同室の人だと私は思った。
私たちは同じ寮の部屋で暮らしていた。
「会いたい人だったんでしょ?」
と彼女が、私と誰かを引き合わせようとしていた。
その誰かとはぎこちない再会を果たした。
彼女が、私の背中を押す。
「ほら、言いたいことを言ったら?」
と、いうものの……言葉が見つからない。
相手もそうだったのだろう。ぎこちなく手を握り合ったまま固まる。
相手の方にも連れがいた。
彼女がその連れを連れて「後は二人で……」と私たちを置き去りにしていく。
沈黙が流れて一言、相手が言った。
「老けたね」
「お互いにでしょ」
私は思わずそう返していた。
それからショッピングモールのような場所を二人で歩き回った。
昔のようには戻れなかった。
「またね」というので、たぶん、またがあるんだろうと思った。
同室の彼女が戻ってきて、部屋に戻った。
部屋は何もない空間が半分以上を占めていた。残りに彼女と私のベットがある。
「みんな、先に行っちゃったみたい。私たちも行かなきゃ」
彼女がそう言う。
そこで私は、ここが5人部屋で3人が先に行ってしまった事を思い出していた。
彼女たちがいた場所には荷物どころかベットもない。
白い壁だけが残っていた。
部屋を出る準備をしようと思ったところで、目が覚めた。
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