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― 行き止まり ―

2022/05/12
文字数:705文字

29【行き止まり】

夢を見た。

私は車の中にいて、どこかからの帰りのようだった。
運転は父がしていて、隣には子供が二人乗っている。
子どもたちは親戚の子たちだ。

車はビルの隙間の細い路地を通って、階段の上に来た。
戻るのだろうと思っていると、父はその階段を降り始めた。
車の幅ギリギリの狭い階段を、降り切ると住宅地が広がっていた。
そこもまた、細い路地。
道を何度も曲がって、住宅地を抜けて、元の道に戻る事が出来た。


気がつくと、再び同じ車の中。
隣には子供が二人。運転しているのは見知らぬ男性だった。
同じようにビルの隙間の路地を通って、階段の上にくる。
階段を下りて、住宅地へとたどり着く。
住宅地の間をくねくねと通り抜けて、行き止まりに突き当たった。

「降りろ。道を確かめて来い」

と男が言う。
私は子供達と共に、住宅地のど真ん中に降ろされた。
道は知らない。1度目の道は覚えていない。
とりあえず、適当に歩き回ると、公園に出た。公園を突っ切った向こう側の道には見覚えがあった。
公園の先の交差点の角の家まで行くと、子供たちが

「疲れた。歩きたくない」

というので、その家の低い壁に子供たちを座らせて、私だけが車に戻った。
公園のジャングルジムで遊ぶ子供が、転んだので立ち上がらせてから、その場を去った。
車の通れそうな道を確認しつつ、戻る。

車に乗って、子供たちの元へと戻ると、家の人が出てきていた。
そこには、子供たちのほかに、子供の母親がいた。
その家は子供たちのお友達の家だという。
母親が、子供たちのお友達と楽しげに話していた。

「ママはね。○○ちゃん子供の友達が大好きなんだよ」

と、子供が言ってきた。
私は不思議な気持ちでそれを見ていた。

という、ところで目が覚めた。




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