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― 日本のお金と泥棒 ―

2022/05/12
文字数:約527文字

10【日本のお金と泥棒】

変な夢を見た。

電車に乗って隣町へ行った。
そこで、パスポートを取ろうと役場のような場所へと入った。
中はいろんな人種がいた。
そこで何とか手続きをして、お金を払う事になった。
けれど、財布の中を確かめても、手続きのお金が足りない。
頭の中では『ギリギリお金があるから大丈夫』と思っていたはずなのに、お金がないのだ。

厳密には『日本のお金』がない。
財布の中にはいろんな国のお札が入っているけれど、日本の一万円札が見つからない。
そうこうしてるうちに、脇から手が伸びてきてお札が抜かれた。
日本のお札ではなかったけれど、反射的にお札を掴んでいた。
お札はびりっと裂けた。
思わず私は、盗ろうとした男の上に馬乗りになって、男の腕をひねった。
男は必死に「ごめんなさい。痛い」と叫んでいたと思う。
なんだか可哀想になったので、腕をひねるのはやめた。
けれど、怒りは収まらない。
馬乗りになったまま、どうしようか……と思った。
「日本円で返せ!!」と言ってみたが、男は日本人ではないので言葉が通じない。
どうしようもないので諦めた。

相変わらず、日本円は見つからない。
一枚一枚丁寧に調べても、ないのだ。
お金はどこへ行ったのだろう。
帰りの電車はどうしよう……歩きかな

と悩んでいるところで、目が覚めた。




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