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― ボール探しと蜘蛛 ―

2022/05/12
文字数:約646文字

12【ボール探しと蜘蛛】

夢を見た。
木造の建物の廊下にいた。
外を見ると1階ではなかった。3・4階ぐらいにいるようだった。
窓は明るく、日の光がさしてくる。
とりあえず、進んでみる。

「見つかった?」
唐突に誰かが私に聞いた。
振り返ると女性が居た。
「みんな、あちこち探してるよ」
女性は続けた。
何を?と聞こうとして、ボールのようなものを探していたのを思い出す。
「まだ、見つけてない」
「そう?意外と難しくないみたい。皆、次々に見つけてる」
そう言って女性は近くにあった部屋の扉を開ける。
そこには2・3人が棚や絵の裏などを探っていた。

私も探さなければと思って、別の部屋の扉を開けてみた。
誰もいない。
探し終わったのかまだなのか分からないけれど、テーブルの下やカーテンの裏などを調べてみる。
ボールは簡単に見つかった。
引き出しに一つ。
写真たての裏に一つ。
他の部屋も見てみる。
そんな事をしているうちに、知っている部屋に出た。
私の部屋だ。

私はそこで一休みしていた。
ボールを傍に置いて、ベットでぼんやりとしていた。
女性がまたやってきた。
「まだあるよ。探そう」
そう言われて、ベットから立ち上がる。
部屋を出ようとすると、首に何かが巻き付いてきた。
一本の蜘蛛の糸だと思って振り払おうとして、首に手をやる。
そこにはごっそりと蜘蛛の糸が巻き付いていた。
驚いて、両手で糸を引っ張ろうとすると上から5センチぐらいの蜘蛛が落ちてきた。
ぎょっとして、一歩後ろに下がる。
同時に目の端に小さな蜘蛛も目に入った。
まずは首の糸を取らなければ……。

と思ったところで目が覚めた。




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